第3節 作業要領書の作成

3−1 作業要領書について

作業要領書は、機械操作・刃具交換・段取替え・部品の加工・組み付けなどの作業を、科学的な考えに基づいて、正確に、速く、やりやすく、しかも安全にやれるように作業手順を決め、これを工程毎に書いたものである。

すなわち、作業要領書には妥当性・具体性が含まれており、具体的には守るべき手順・要点・目標などがあらわされている。したがって、作業要領書には作業の順に作業内容を記入し、その作業手順をおこなうための急所を書き、さらにわかりやすくするために、見取図も入れて詳細に記入するのである。

特に急所については抽象的な言葉はさけて、できる限り具体的、定量的に書かなければならない。

3−2 作業要領書の記入方法

作業要領書の記入方法について説明する。

(1)作業名
対象作業名を記入する。
(例)刃具交換、組み付け、段取りなど。

(2)ライン名
加工・組付ラインなどの名前を記入する。
(例)RUナックル加工ライン、5Rエンジン組付ラインなど。

(3)工順・機番・工程名・所属氏名・作成年月日
部品別能力表に準じて記入する。

(4)NO
作業手順を1・2・3・・・と記入する。

(5)作業内容
作業を進めていくための手順、すなわち、各要素作業を作業順に記入する。その場合、複雑な表現はできるだけさけて簡明な表現で記入する。
基本的には「名詞+動詞」が中心となり、「何々をする」ということになる。
(注)ゲージなどによる測定が含まれていたら、それも記入する。

(6)急 所
急所には、成否・安全・やりやすくの3条件があり、作業者が正確に、安全に・良心的に、しかも速く作業をやるためのキーポイントを記入する。
急所は、手順を「どのように」やるかということになる。
(注) 急所の3条件とは、次のことをいう。
@ 成否・・・・・・仕事をでき上がらせるか、だめにするかを左右するもの、つまり、事の成否に関するもの。
A 安全・・・・・・仕事をする場合、怪我する恐れのある動作。
B やりやすく・・・・・・仕事をやりやすくするもの、すなわち、勘・コツ・手際・呼吸・あるいは、ちょっとした特別の知識など。

(7)見取図
作業手順・急所が言葉だけの表現では、説明が不十分な場合が多いので、その仕事をするために必要な治工具・ワークの位置・置き方・ワークの機械への取り付け方などを、わかりやすく図示する。